新元号は和語になる?
今朝の新聞で、2019年から新元号に改められるという記事を読みました。
平成は30年までで終わってしまうことになりそうですね。
平成の次はどんな元号になるのでしょうか。そして元号の決め方には、どんな決まりや法則があるのでしょうか。
調べてみました。
元号の決め方・元号法
元号は元号法にしたがって決められます。
この元号法は、たった2条しかない法律。日本で一番短い法律だそうです。ちょっとしたトリビアですね。
第1項:元号は、政令で定める。
第2項:元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める(一世一元の制)。
1979年に制定された法律なのですが、なんと「昭和」の元号もこの法律第1項に基づいて制定されたことになっているそうなんです(附則第2項)。
遡及してるじゃん。
そんなふうにピンときた人は常識人。でもこの法律はよく知られている「法の不遡及」の例外のひとつなんですね。僕も知りませんでした。
では次の元号はどんなものになるのでしょうか。予想してみました。
元号といえば中国の古典から採られているイメージがあります。
- 平成:書経(しょきょう)から採用
- 昭和:書経
- 大正:易経(えききょう)
- 明治:易経
いずれも中国の古典が出典になっています。
なかでも書経は35個もの日本の元号のもとになっているんです。易経も24個と、昔から日本の元号とは深いつながりがあるんですね。
さて、と僕は考えました。
新しい元号は、2018年半ばまでには決定される予定だそうです。
その時にも、現内閣が続いているでしょう。
でも、この内閣が元号を定めるとき、慣例に倣って中国の古典の言葉を採用するだろうか?
と、ちょっとした疑問が浮かぶのです。
…不幸なことに現状では、中国に対しては、その危機をあおったり、敵視するようなムードもあるわけです。包囲網とかね。面白半分に上から目線でワイドショーネタになることもよくある国です。僕はそれをいいこととは思ってないのですが、現状はそうなってしまっています。
だから、新しい元号は和語にこだわるのでは?
上代日本語からとるんじゃね?
そんなことをふと考えてしまったのですね。
ちなみに元号には次のような条件があるんだそうですよ。(昭和54年10月23日閣議報告)
- 国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
- 漢字2字であること。
- 書きやすいこと。
- 読みやすいこと。
- これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと。
- 俗用されているものでないこと。
この条件で、かつ漢語でなく和語で、元号にふさわしい言葉はないか、考えてみました。
漢字2字の和語…。
…。
…。
僕が最初に思いついたのは、
眼鏡(めがね)。
でした。
眼鏡元年
どうよ?
まあどうよじゃないよね。音読みじゃなければいいってことじゃない。
和語でなおかつ漢字2字、しかも俗用されていないとなると、もう何もないなと思ってしまいます。
和語って基本的に俗用されてきたものですよね。生活に縁のない言葉は現在の和語として残ってない気もしてきます。
雅語
でもちょっと調べると雅語というものがありましたよ。
雅と俗はまさに正反対に位置する言葉です。
雅語ならどうだ?なにかいい言葉はあるかな?
検索してみると、
- 長閑(のどか)
- 玉響(たまゆら)
- 空蝉(うつせみ)
- 浮舟(うきふね)
- 陽炎(かげろう)
- 時雨(しぐれ)
なんだかどれも儚いですね。うつせみ…がん…ねん…。
- 姥捨(うばすて・おばすて)
少子高齢化時代の要請か、ガクガクブルブル…。
- 真幸(まさき)
悪くなさそうだけど人の名前にもいそうだし、頭文字がMだと明治と混同しちゃいますね。
万葉仮名
漢字を使って言葉の音を表現していた万葉集の昔、基本は1音に1文字が対応していましたが、2文字でもこんな音を表記していたそうですよ。
- 嗚呼(あ)
- 五十(い)
- 可愛(え)
- 二二(し)
- 石花(せ)
- 十六(しし)
ににんがし、ししじゅうろくって…。冗談みたいだけど本当です。
元号にはなりそうもないですね。
可愛元年とか、なにかのキャッチフレーズみたいです。読みは「え」1音なんですけど。
熟字訓
漢字の熟語全体に訓読みの振りがなを振る読み方を、熟字訓(じゅくじくん)というそうです。
たとえば
- 昨日(きのう)
- 一昨日(おととい)
- 明後日(あさって)
などですね。
そんな熟字訓から、いい言葉がないか探してみたらどうでしょうか。
熟字訓を見ていくと、これらの言葉は、昔から多くの人に使われているからこそ、大和言葉(和語)の読みをあてられている漢語なわけですよね。
逆に言うと、和語の文字表記にふさわしい実感があって俗用されまくってきた漢語が、熟字訓となって残っているわけです。
- 今年(ことし)
- 今朝(けさ)
- 如月(きさらぎ)
- 七夕(たなばた)
- 十六夜(いざよい)
- 時雨(しぐれ)
- 息吹(いぶき)
- 土筆(つくし)
などなど…。
どれも人々の生活に密着した言葉です。
結局漢語だろうと和語だろうと、出典が四書五経だろうと万葉集だろうと、どんな言葉でも人々は使いこなしていくんじゃないですか。
そこに過剰な意味を忍び込ませようとしなければ、ですけれど…。
新元号は和語になる? まとめとあくび
でももし、多くの人に俗用されている言葉でもいいんだとしたら、あなたならどんな言葉を元号として選びますか?
今の内閣だったら、大和(やまと)とかになるのかな。瑞穂とか。
僕がこれだと思ったのは、
流石。さすが元年。どうだ!
欠伸。頭文字もAだからM・T・S・Hと間違わないぞ。
いやいっそのこと、読み仮名がカタカナでもいいじゃないか。
- 咖哩(カレー)
- 浪漫(ロマン)
- 麦酒(ビール)
- 白金(プラチナ)
国が率先してキラキラ元号を使いだしてもいいんじゃないかと考え始めたあたりで、ちょうどお時間、いい頃合いですね。失礼いたしましょう。来年、日本と世界の人々にとって明るい希望となるような、いい元号が決まることを期待しています。