ジャズを1曲も聴いたことがない人のための入口ミュージシャン楽器別6人

      2017/04/10

ピアノ・サックスなど楽器別に、一番最初に聴きやすいとっかかりのミュージシャンを紹介します

こんにちはRenです。

今日はこれまでジャズの曲を1曲通して聴いた経験がいちどもない、そもそもジャズというジャンルについてもぼんやりしたイメージしか持っていない、そんな人のために、最初のとっかかりとして聴きやすい演奏の動画を紹介します。

ピアノやドラムなどの楽器別に有名なプレーヤーを一人ずつ上げていくので、あとは気に入った動画から、関連動画などを巡っていってください。

ジャズに興味はあるけど、どれを手始めに聴いたらいいのかわからない…。

名前に聞き覚えのある人の動画を見てみても、なんか曲として聴いてて気持ちよくない…。

そういうことも割とありがちかと思います。

なので、こちらにその「手始め」を用意しました。

本格的かつ入門者にとって聴きやすいジャズです。

聴きやすいことを最重要視して、人選と選曲はベタに行きます。

 

1.ピアノ編 ビル・エヴァンス

ピアニストからはビル・エヴァンスを選んでみました。

これまでジャズをまともに聴いたことがない人でも、冒頭部分にはなんだか聞き覚えはあるかもしれません。

ワルツ・フォー・デビーという曲です。

聴きやすいでしょ?

同名のアルバムの表題曲なんですが、この動画ではアルバムよりも結構ノリノリに弾いています

Bill Evansはエヴァンズと読むのが本来なんでしょう。でも日本では濁らずにエヴァンス、エバンスと表記されていることが多いです。

詩情あふれる繊細なタッチとメロディアスな美しい曲調が持ち味なので、初心者にもおすすめのジャズミュージシャンの一人です。

 

ジャズのピアノトリオとは

上の動画のような、ピアノ・ベース・ドラムの3ピース構成のトリオのことを特別にピアノトリオといいます。

いろんな楽器の組み合わせがある中で、この3つで演奏するのが、一般的に言ってジャズの基本的な楽器の構成になっています。一番シンプルな編成ってことですね。

もちろんこの3つを入れないといけないってことはありません。どんな組み合わせもありえます。

これにトランペットやサックスなどもう一人が加わって4人になるとカルテット、5人になるとクインテットと言いますよ。ふたりでやるとデュオになります。

 

2.ドラム編 マックス・ローチ

ドラムからはマックス・ローチを選んでみました。

YouTubeでジャズのドラマーの動画を探すとものすごいソロプレイの動画ばかり出てきて、初めて聴く人は尻込みしてしまいそうだったので、曲としてはドラムが主役じゃないんですが、これにしました。

画にもあるように、主役はテナーサックスのソニーロリンズ。曲は『サキソフォン・コロッサス』というこれも有名盤に入っている、ストロード・ロードという曲です。

マックス・ローチはこのアルバムにサイドメンとして参加しています。

いやーかっこいい。

曲の冒頭のモチーフ(リフ?Aメロ?)が繰り返し出てきます。テナーだけじゃなくてピアノもドラムもこのモチーフを弾くので探してみてください。

ジャズの曲では楽器ごとにソロのパートが聴けることが多いです。ビル・エヴァンスの動画でもベースのソロがありました。

この曲ではピアノのソロが聴けます。ドラムは終盤にテナーサックスと交互にソロを交換しながら吹いては叩き、吹いては叩きしているところがありますね。

ほんとかっこいい(2回目)。

 

アーティストの名前だけでCDを買っちゃうと失敗しがち

ジャズも一通り聞いとかないとねーと思ってショップに行って、なんとなくビッグネームのCDを選んで買ってみたけど好きになれなかったって経験は、僕にもあります。

名前には聞き覚えがあるし、CDの帯には「ジャズのレジェンドの代表的名盤!」とか良さげなことも書いてある。

これなら間違いないだろうと思って、セロニアス・モンクやチャーリー・パーカーやバド・パウエルのCDを買ってくると、これはまだ自分には早かったか、ということになる確率は高いです。

なにしろ一貫しているメロディーらしきものを把握できない、聴いてて違和感ありまくりで気持ちよくない

なぜこれが名盤なのかわからない。

Amazonなどでレビューを頼りに買うのもそんな危険があります。

まあ今はYouTubeがあるからいいけど、僕がジャズを聴き始めた大学生の頃はまだなかったか、あっても回線が細かった時代なので、そんな失敗もよくしていました。

 

3.ベース編 チャーリー・ヘイデン

ベースからはチャーリー・ヘイデンを選びました。

最初の2分余りがベースメインのパートです。

リズム楽器としてではなくてベースでメロディーも奏でることができるし、そこにははっきりした情感も込められるのがわかりますね。

チャーリー・ヘイデンはジム・ホールやパット・メセニーなどのギタリスト、それに女性ヴォーカリストと組んで、ソロを引き立てる名伴奏者としても活躍しました。

 

名盤・人気作だからといって万人受けするとは限らない

レコード会社が時々やるジャズの名盤100選とかのキャンペーンは入門者を意識しているんでしょうけど、こういうのをいきなり聴いて「わー、ジャズっていいね!」になれるかと言ったら、それはちょっと疑問です。

  • サキソフォン・コロッサス
  • ミーツ・ザ・リズム・セクション
  • ポートレート・イン・ジャズ
  • カインド・オブ・ブルー
  • バラード
  • タイム・アウト
  • ゲッツ~ジルベルト
  • ケルン・コンサート

こういう作品は他のとは違う個性がはっきりしているからこそ、名盤たりえているわけだし。

誰しも音楽には「好み」が絶対あります。ジャズはその中でもまた好みがわかれていくジャンルです。

とくに聴き始めの頃はこの好みだけが頼りなので、最初に出会ったのが運悪く好きになれなくても、また別のを聴いてみると「こっちは悪くないぞ」と思えたりしますよ。

でも今はYouTubeがあるから…(2回目)

むしろ2,3年くらいしてから退屈な時なんかにその名盤をまた聴いてみて、「あれ、こんなによかったっけ?」みたいになることが多いと思います。

その時にはもう頭の中でジャズの回路が育ってるんですね。

 

4.サックス編 アート・ペッパー

先ほどはテナーサックスも出てきましたが今度はアルトサックスです。アルトはテナーより高い音域のサックスです。

奏者はアート・ペッパー

そして曲は誰もが知ってるオーバー・ザ・レインボウ(虹の彼方に)

名作『オズの魔法使』の中でジュディ・ガーランドが歌った曲です。聴いたことありますよね?

この動画の音源は『バラッズ・バイ・フォー』というオムニバスアルバムから取られているようです。

ペッパーの有名盤は麻薬でキャリアを中断する前の50年代に多いのですが、これは復帰後の70年代以降の録音でしょう。

50年代のペッパーは得意のフレーズもバンバン出てきて、華麗かつ鮮やかなプレイが魅力なんですが、70年代以降のものは厳しく、鋭いトーンになっていきます。

そんな中でのこの抑えながら振り絞るような演奏は、しみじみと美しいです。

 

ジャズのスタンダードとは

ジャズにはスタンダードと呼ばれる曲の一群があります。

スタンダードは、はっきりと「この曲はこの基準を満たしているからスタンダードで、あっちはそうじゃない」などと決まっているわけではありません。

これはモダンジャズが隆盛になる1950年代あたりまでに多くが作曲されて、それ以降ジャズのミュージシャンによく取り上げられている曲のことで、いわゆる定番曲のようになっている曲のことです。

ジャズのプレイヤーはそれを土台にして、自分のアレンジを加え、技巧を凝らして演奏します。

スタンダードにはジャズミュージシャン自作の曲だけではなくて、ブロードウェイの舞台のために書かれた曲や、映画のために作曲された曲も多いんですよ。

上の動画の虹の彼方にもそうですね。

サマータイム(オペラ『ポーギーとベス』)や煙が目にしみる(映画『ロバータ』)も聴いたことがある人が多いはずです。

『サウンド・オブ・ミュージック』の挿入歌私のお気に入りも、ジョン・コルトレーンがよく取り上げたりして、それ以降多くのプレーヤーのレパートリーになっています。

『ティファニーで朝食を』のムーン・リヴァーや、ディズニーの『ピノキオ』の星に願いをなども、映画の曲がスタンダード化しました。

ディズニーではほかにもいつか王子さまが不思議の国のアリスもよく演奏されています。

でもミッキーの曲はジャズではあまり聴かないな…。

 

5.トランペット編 チェット・ベイカー

ジャズではトランペットも主役の一つ。

マイルス・デイヴィスと迷いましたが、ジャズを1曲も聴いたことがない人もすんなり聴けるだろうチェット・ベイカーにしました。

曲はテンダリー(Tenderly)。これもスタンダードです。

元は歌詞のある曲で、ヴォーカル曲としても人気があります。

チェット・ベイカーはトランペットだけじゃなくて、甘くけだるい男性ヴォーカルの曲でもよく知られていますよね。

トランペットだけの演奏でも、彼の歌と似ていて、物憂い雰囲気です。

これはマイルス・デイヴィスのトランペットが見せる憂鬱の雰囲気とはまた対照的で、面白いです。

 

6.ギター編 ウェス・モンゴメリー

ギターからは迷った挙句ウェス・モンゴメリーに登場いただきました。

弾いている曲はラウンド・ミッドナイト

この曲もジャズを聴いていると頻繁に出会う曲です。

ギターを知らない人でもわかるウェス・モンゴメリーの魅力は太く暖かい音ですね。

ジャズに親しみがなくても聴きやすいきれいなメロディーの中に技巧をまぎれさせています

決してこれ見よがしではないんですよね。

その一つがオクターブ奏法。1オクターブ離れた音を同時にユニゾンで弾いて、厚みのある音を作り出しています。

上の動画でもところどころでオクターブ奏法を披露していますよ。ピックを使わず親指で弾くのも彼の特徴です。

 

ジャズの楽器別入門プレイヤー動画まとめ

今回はジャズの6つの楽器と代表的ミュージシャンを一人ずつ取り上げて、これまでに1曲もジャズを聴いたことがない人に入り口を提供してみようという試みでした。

いかがだったでしょうか。

特に最初の頃は、はっきりしたメロディーがあるのが聴きやすいですよね。

スタンダードを1曲選んでその同じ曲であれこれ聞き比べてみても、ミュージシャンや演奏によってまるで違ってて面白いですよ。

需要があればそんなスタンダード曲比較などもやってみようと思います。

 

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